この宝石の定義はちょっと頭が固いんじゃないですかね!?

緑色のベリルはエメラルド!?

おはようございます。

本日運動会でマイムを踊るサルオです。
本日紹介させて頂くのはエメラルドのビーズです。
エメラルドはベリルの中でも希少種に当たりますので、まずはそこから説明させて頂きたいと考えております。
まず、エメラルドのお写真がこちらです。
★エメラルドHC7ミリ 1,944円(税込み)★
ベリルは微量に含む金属元素により色が変わり、色によって宝石名が変わることはよく知られています。
有名なところで言えば、、、
アクアマリン・・・水色のベリル
モルガナイト・・・ピンク色のベリル
ヘリオドール・・・黄緑色のベリル
ゴシェナイト・・・無色のベリル
イエローベリル・・・黄色いベリル
などなど
ではエメラルドは、緑色のベリルということでOKでしょか?
答えは「否」です。
上記は全て色を基準に付けられた宝石名であって、微量に含む金属元素によって宝石名が変わっているわけではありません。
しかし、エメラルドは定義として「微量なCr(クロム)を含み緑色に発色したベリル」と決まっています。
つまり、緑色のベリルからクロムが検出されなければエメラルドとは呼べません。
そして、もし緑色に発色するベリルの要員がクロムだけであれば、何も問題はなかったのかもしれません。
しかし、鉄を含んだベリルの一部でも緑色(黄緑色に近い)に発色しますし、一番ややこしいのはV(バナジウム)によって発色したベリルが緑色に発色することです。
このバナジウムを含んで緑色に発色したベリルは外見上でエメラルドと区別が付かないことが時々あります。
バナジウムにより緑色に発色したベリルは「グリーンベリル」という名称になりますが、他のベリル系の宝石名が色に対して名前がついているのに、エメラルドだけが例外的にそうではないことは謎です。
そして、そのお陰でエメラルドを仕入れるとき「これは本当にエメラルドと呼んでもいいのか」という不安を常に持ちながら仕入れをしなければいけないため、非常に厄介です。
過去にもエメラルドを探しておられるお客様がいらっしゃり、仕入先さんが「エメラルド」として販売しているものを取り寄せたことがありました。
金額的に高価なものだったので、念のため鑑別をしてみた結果が「グリーンベリル」。
鑑別先の方に確認したところ、やはりバナジウム発色とのことで、他にお客様の希望に沿うものが見つからなかったので、逆にお客様にご迷惑をかけてしまったということがありました。
僕は宝石業界の名前を変えられるほどの力はもちろん持っていません。
しかしながら、もし絶大な権力を持っていれば、「緑のベリル」=「エメラルド」にしよう!と提案したいです。
いかんですね。
また前置きが長くなってしまいましたね。
エメラルドが希少種なのは、その出来方もあるのですが、そのあたりは、今度エメラルドを紹介させて頂くときにさせて頂きましょう。
★エメラルドHC7ミリ 1,944円(税込み)★
今回紹介させて頂いているエメラルドはかなり深い緑色をしております。
そして一番の特徴は透明感があることです。
透明感のあるエメラルドのビーズは中々入荷することがないのでかなり貴重な存在なのは間違いございません。
また、エメラルドといえば黒いインクルージョンが入りやすいことです。
正直、このビーズも黒い線状のインクルージョンは入っております。
しかし、インクルージョンが多いのもエメラルドの特徴です。
僕が参考にさせて頂いている本の中には「インクルージョンのないエメラルドは、砂場に落とした1本の針を探すようなものだ」と書いてあります。
それくらい、インクルージョンのないエメラルドは中々に存在していないことをご周知頂けると喜びます。
話は変わりますが、いつかベリルの中でも最上級にレアな存在であるレッドベリルのビーズを紹介する日が来ればいいなぉと思います。
ちなみに、今まででルースやペンダント、原石以外では一度も見たことがございません。
そして、お値段もとんでもない金額でした。
個人的には数年前に夏休みの企画展で島根県大田市にある三瓶サヒメルの鉱物コーナーで見たレッドベリルが衝撃的に美しくて、マイベストなレッドベリルです。
確かどこかの大学が学術的にコレクションしているものと書いてあったような気がします。
また見る機会があって可能であれば写真に収めてコレクションしたいです。
(許されればですけどね。)
本日も最後までご覧頂きありがとうございました。

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