【めのうさとえすこな散歩】めのうさんぽ“散歩”『神社仏閣・神事 探訪』|神在月 出雲大社 神等去出祭 編

神々のお集まりになられる地『出雲地方』より、こんにちは。

今年も出雲大社では、旧暦の10月10日(2019年は11月6日)に稲佐の浜にて、全国からお集まりになられた八百万の神々をお迎えし、そして出雲大社へ招き、神在祭が執り行われてきました。

八百万の神々が出雲大社に滞在する期間、御祭神であられる大国主命と八百万の神々によって、人のご縁だけでなく、お金や仕事の事など、世の中のありとあらゆるご縁が決められる『神議り(かみはかり)』を行っていただけたのです。

本当にありがたいお話です。
どうか、皆さんに良いご縁が決まりましたことを…。

神々が出雲大社で滞在された間は、神在祭、縁結び大祭、夜神楽祈祷など行われてきましたが、旧暦10月17日(2019年は11月13日)の神等去出祭(からさでさい)で、神在祭と神議り(かみはかり)が無事に終わったことが祝われ、八百万の神々は出雲大社をお立ちになられました。

というわけで、この出雲大社で執り行われた神等去出祭(からさでさい)に参列するため、この度、スタッフ数名とともに行ってまいりましたので、本日はその様子をお伝えしたいと思います。

急いでいても、禊はしっかりと…。

神等去出祭(からさでさい)が始まるのが16時だったのですが、勢溜の鳥居に到着したのが20分前でしたので結構、焦りました…。
逸る気持ちを抑えつつ参道を進みます。

程なくして、右手に祓社(はらえのやしろ)が目に飛び込んできます。
急がなくては…。
しかし、これから八百万の神々にお会いするわけですから、素通りするわけにはいきません。
ここでは、きちんと禊を行いました。

再び歩みをすすめる私を、珍しい下り坂の参道が後押しします…。
坂を下りきると素鵞川(そががわ)が流れ、そこに架かる橋、祓端(はらえのはし)が見えてきます。
この橋を渡ることで、第二の禊を終えると、松並木の参道(まつなみきのさんどう )に到着。
鉄の鳥居と松のコラボレーション…。
すばらしい景観です!

この松並木の参道、かつては皇族や貴族、また例大祭・大祭礼の時には、勅使だけが通ることができる道だったそうです。
現在では、松の木の根を保護するために、参道の両サイドの舗装された道を通るようになっています。

この景色にしばらく、うっとりとしたいところですが、時間がせまっています!
先を急ぎます…。

松並木の参道を進んでいくと、見えてきました!銅鳥居です!
そこには既に人だかりが…。
斎場となる拝殿が銅鳥居の向こうに見えますが、拝殿まで続く石畳の道を挟むように両サイドには多くの人がいました。
まだ始まっていません。
斎場に向かう前に、急いで手水舎で三度目の禊を行い、私も群衆の中へと入ってゆきます。

神等去出祭(からさでさい)
八百万の神々が迎えられる

なんとか間に合いました!
人ごみの中に混ざり、始まりを待ちます…。
しばらくすると、神職の方たちが銅鳥居をくぐり入ってこられました。
神職の方たちの列は、拝殿へと繋がって行きます。
あぁ…、始まったのだ…。

神職の方たちは一度、拝殿に上がられました。
拝殿の中の明かりは消され、外から入る自然光のみで暗がりとなっています。
ちょっと遠かったので、中で何をされているのか詳しくは分からなかったのですが、何度も拝礼をされている様子がうかがえました。

どれくらいの時間がたったでしょうか…。
一度、拝殿に上がられた神職の方たちが、再び拝殿から降りてこられました。
神職の方たちは左右二手に分かれて、出雲大社の東西にある十九社へと向かわれたのです。
東西の十九社には、八百万の神々がいらっしゃいます。
神職の方たちは、神々をお迎えにあがられたわけです。

東十九社から神々がおいでになられます。

西十九社からも神々がおいでになられました。

神迎え神事・神迎祭の時と同様に、八百万の神々がお宿りになられた神籬(ひもろぎ)は、白い絹の布(絹垣)で囲われ、多くの参列者が見守る中、道をお進みになり拝殿へとお上がりになられました。

お立ちの儀
『お立~ち~、お立~ち~、お立~ち~』

拝殿にお入りになられると、祭壇に2本の神籬(ひもろぎ)と龍蛇神様の御神体がお祀りされました。
遠目ではありましたが、僅かに確認することができました。

そして、殿内暗がりの中、神饌(しんせん)が供進され、出雲国造(いずもこくそう=宮司)による祝詞が奏上され、最後のお立ちの儀が執り行われます。

(祝詞も聞こえませんでした…。残念です…。)

その後、一人の神職の方が本殿楼門に向かわれました。
神等去出祭は拝殿で行われるため、今回、私は拝殿前で参列をしましたので、本殿楼門での様子を見ることは出来ませんでした。

そこで、調べましたよ!
一人の神職の方が本殿楼門に向かい、門の扉を三度叩きつつ「お立~ち~、お立~ち~、お立~ち~」と三回唱えられるのだそうです。
そして、この瞬間に八百万の神々は神籬(ひもろぎ)を離れ、出雲大社をお立ちになられるとのこと…。

これがお立ちの儀で、拝殿ではそれまで暗がりであった状態から、照明がつけられ明るくなった時が、それにあたるようです。

確かに、拝殿内が暗かった状態から、照明が点けられ明るくなりました。
あの瞬間、祭壇に祀られた2本の神籬(ひもろぎ)から、次々と神々はお立ちになられたのだ…。

神々は次の目的地へ…

神事を終えると、神職の方たちが拝殿から下りてこられました。
そして、きれいに一列に並び、もと来た道である銅鳥居を抜け、参道を歩いて戻られるのでした。
神にお仕えなさる、その凛とした姿にも感じ入るものがありました…。

今年は、拝殿前で神等去出祭(からさでさい)に参列することができましたので、来年は八足門から、本殿楼門前での「お立~ち~、お立~ち~、お立~ち~」を聞いてみたいなと思います…。

出雲大社を八百万の神々がお立ちになられ、出雲大社での神在祭は終わりました。
このあと、八百万の神々は出雲地方の他の神社を巡られます。
最後に出雲市斐川町にある万九千神社にお集まりになられると、旧暦の10月26日(2019年は11月22日)に、ここでも神等去出祭(からさでさい)が執り行われ、八百万の神々はそれぞれの鎮座される地にお戻りになられるのです。

八百万の神々が、どこの神社を巡られるのか?
気になるところではございますが、それはまた別の記事にてご紹介したいと思います。

そして再度、出雲大社では旧暦の10月26日(2019年は11月22日)に、2回目の神等去出祭(からさでさい)が執り行われます。
この神事は、八百万の神々が出雲の地を去られたということを、大国主大神に報告する儀式で、本殿前で神職の方、一人で行われます。

全国から神々が出雲大社にお集まりになられ、無事に出雲大社での「神議り(かみはかり)」を終えになられました。
どうか皆様に素敵なご縁がありますように…。

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