(新作勾玉！)アズロマラカイト出雲型勾玉ラオス産

こんばんは。
サルオです。

前週末初めて冬の三瓶山に登ってきました。
雪が積もっている冬山に登るのは初めてだったので登りはともかく「これ、下山出来るのか？」と思いながら山頂まで登りきりましたよ。
去年は夏と秋に4回くらい登りましたが、季節によって山の表情が全然違うので楽しめました。
と同時に、宇宙から地球を見たら見るタイミングによって同じ場所でも見た目が変わるんだろうな～とか考えながら登っていたので、案外あっと言う間に下山も出来ましたよ。

前置きが長くなりましたが、
本日紹介する新作勾玉のアズロマラカイトは、

まさに

「宇宙から見た地球」

をイメージさせてくれる面白い天然石ですよ。

オンラインショップのアズライト勾玉特集ページはこちら

アズロマラカイトとは

アズライトAzuriteとマラカイトMalachiteが共存する鉱物のこと。
この両者はいわばいとこ同士のような関係にあたり、構成する成分が非常に似ています。
アズライトに水が加わり、炭酸が抜けた状態になることでマラカイトに変わってしまうため、中世から顔料（絵の具）として絵画に使われてきたアズライトのブルーが、時を経てグリーンのマラカイトに変化してしまった…という話も存在します。

アズライトとマラカイトは、どちらも銅の二次鉱物で代表的とされるものです。
“二次鉱物”とは、鉱物が結晶となり地表に出たあと、様々な影響を受ける中で徐々に化学変化し違う鉱物に生まれ変わったもののこと。
今回おつくりした勾玉には、アズライト、マラカイトの他にも複数の銅の二次鉱物が含まれます。様々な鉱物が複雑に入り乱れるからこそうまれる青と緑の色彩は、まるで地球のように奥深く豊かな表情を魅せてくれます。

それでは勾玉に加工した原石たちのご紹介。

ラオス産アズロマラカイトの原石

原石を見て頂くとごつごつしているのが分かりますよね。
今回難しかったのが、大きなクラックがあってその部分は強度が低いだけではなく、
見ためも傷のようになってしまうため、使える部分だけを切り取ることに苦労しました。

勾玉にするためにはまずは原石を箱の形にカットしていくようになります。
一面カットして見て勾玉に出来そうか難しそうが判断していくようになります。

下の画像は勾玉に出来そうなもの、

中にはこのように茶色い部分だけになってしまうようなところもありましたので、そういったところは勾玉に加工せずに出来るだけ青や緑色の色味が見える部分を勾玉に加工しました。

ちなみに、この茶色い部分はゲーサイト（水酸化鉄）等を含む粘土岩です。
このような粘土岩も見た目「地球」を演出するには欠かせないところ。
この部分が綺麗に映えるものは「マトリクスアズロマラカイト」としております。

今回は確か原石自体は20kg買ったように思いますが、勾玉として出来上がった物量は2kgもなかったように思います。
加工が難しく歩留まりが比較的悪かったので、出来上がったものはある意味貴重な存在かも知れません。

それでは完成した勾玉をご覧くださいませ。

まずは、アズロマラカイトの30ミリサイズから

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ブログの初めの方にアズロマラカイトの勾玉の話をさせて頂きましたが、アズロマラカイトについての補足です。

アズライトもマラカイトも銅の二次鉱物であることはお伝えさせて頂きましたが、
銅の二次鉱物はアズライトやマラカイトだけではなく、他にも数種類ございます。

そのため、青い色をしているからと言って必ずしもアズライトとは限りませんし、緑色をしているからと言って必ずしもマラカイトとは限らないのです。
例えばシャッタカイトやクリソコーラといった銅を主成分とする鉱物も混ざっていますが、どこがどれと説明するのはあまりにも難しく、もっというと勾玉によってはアズライトもしくはマラカイトのどちらかが入っていない勾玉もあるかと思います。

しかし、ビーズやその他の加工品も含めてこのタイプの天然石は総称して「アズロマラカイト」と当社の規定で呼んでいることから今回も「アズロマラカイト」という名称を付けさせて頂きました。

また、アズロマラカイトの硬度は3.5～4です。
カルサイトよりは少し硬いくらいですが、カット・研磨するにはあまり向いていない耐久性をしているため、
勾玉への加工が非常に難しい鉱物の一つです。

そのため、石自体の強度を上げることを目的とした含侵処理がしっかりと施されておりますこと、ご了承下さいませ。

難しい話ですが、この説明は必ず入れなければいけないと思い書かせて頂きました。