ヘマタイトと共生した中国産水晶クラスター

こんばんは。
サルオです。

本日は掘り出し物を紹介させて頂きます。
例によってタグ紛失して価格不明品となっていた商品の中から掘り当てました。
その商品がこちら。

中国産水晶クラスターです。

面白いのが普通の水晶クラスターではないところです。
結晶の根元部分に黄土色や黒い塊が見えますよね。

これは土ではなく鉱物なのです。

拡大して見てみましょう。

黒っぽいところはどこか赤みを帯びていることが分かりますね。
この赤黒い色の鉱物はヘマタイトです。

ヘマタイトの条跡(鉱物が持つ本来の色のこと)は赤色です。
つまり、黒いメタリックな塊のヘマタイトを削って粉にしていくと、その粉の色は赤いのです。

では、黄土色部分はどうなのか、おそらく鉄の酸化鉱物であるヘマタイトと共生していることを考えると、同じく鉄を主成分とする鉱物であるライモナイトではないかと思われます。

ここで、ふっと鶏冠石(けいかんせき 英名:リアルガー)の可能性も気になりました。
鶏冠石は赤色の鉱物で、湿気や光に弱く黄色く変色する鉱物です。

そして、リアルガーならヒ素を成分に含む鉱物なのでちょっと怖い。

光沢を確認するため光を当ててみました。

金属光沢に見えますよね???
でも樹脂光沢にも見える。
リアルガーは樹脂光沢です。

リアルガーは主に中国からも産出されます。
鉱物のデータベースを見るとペルー産のリアルガーは水晶に共生していますが、中国産のリアルガーは水晶に共生していませんでした。

とはいえ、とはいえですよ。

鑑別に出してみないとリアルガーではないと言い切れないので、販売するのはやめました。
販売してはいけないわけではないのですが、やはり、あまり人体に良くない鉱物を販売するのは気が引けます。

お掘り出した原石はそっと倉庫にしまうとして、しっかり手を洗っときます。
有毒鉱物に限らす、鉱物はどんなものと共生しているか分かりませんので、基本的に原石を触った後は手洗いすることをオススメします。

最後までご覧頂きありがとうございました。

シェアする

シェアする

フォローする

フォローする

シェアする