【玉人(ぎょくじん)とは】
玉人というのは一般的に非常に馴染みのない言葉だと思います。
では玉人とはいったいどのような言葉なのでしょうか?
玉人の「玉」とは、勾玉をはじめとした「玉類」、
玉人の「人」とは、そのまま「人」の事です。
つまり簡単に言えば
勾玉をはじめとした玉類を献上する人の事を指します。
ただし自分自身が全てを行うのではなく、
職人達を束ねスケジュールや費用を管理し献上する代表者、
大工さんでいう「棟梁」さんをイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。
この名称について、
お恥ずかしながら実は私も数年前まで知りませんでした。。。
ある時、
神社様に用事があり社務所で宮司様をお待ちしている時でした。
社務所の会議室に古くからの数多く写真が飾ってあり、
弊社の初代の写真等もあったため興味深く拝見させて頂いていた時、
並んで飾られたある2枚の写真に目が留まりました。
両方共に弊社が献上した勾玉である事はすぐに分かりましたが、
1枚は献上した勾玉の横にある献上者名の木札に「献上 玉人 新宮福司郎薫」
もう1枚は献上した勾玉の横にある献上者名の木札に「献上 玉人 新宮福仁郎正朗」
とあります。
ちなみに
「新宮福〇郎(ふくじろう)」とは代々の社長名であり、
また真ん中の「〇」部分についてはその代によって漢字を変える事になっていたそうです。
しかし職人としてはいいものの社長としては字画があまり良くないとの事で
先代の途中から名乗らなくなったそうです。
話が逸れましたが、
その「玉人」という名称を見るのが初めてであったため、
宮司様に「この「たまひと」ってなんですか?」と伺ったところ、
それは「たまひと」ではなく「ぎょくじん」と読むこと、
そしてその意味合いについて教えて頂きました。
上述のように、
現在勾玉職人は日本国内でも弊社しかおりません。
という事は、
この玉人を名乗る事が出来るのは私か、もしくは四代目である私の父か、
しかいない事になります。
三種の神器の一つでもあり神話の時代から脈々と受け継がれてきた勾玉。
単なる形としての勾玉だけではなく、
その勾玉が持つ歴史・伝統・文化を
100年後、500年後、1000年後にも伝えていかなければならないという想いが、
この玉人という名称を見るたびに強く湧き上がってきます。
第五代玉人 新宮寛人
【玉人磨】
神話の時代から大切にされてきた勾玉。
わたしたちが継承している出雲型勾玉は島根県玉造の花仙山から採掘された
貴重な出雲石(碧玉)を用い、職人の手によって磨かれています。
その製作の過程の中で勾玉にならなかった碧いかけらたち。
初代新宮福次郎の信条でもある「石を活かす」を胸に、
このたび第五代新宮福志郎の手によって、
この貴重な碧いかけらから「玉人磨き」が生まれました。
庭園や植物を眺めるような気持ちで
心穏やかに過ごしてもらえるように。
日々の暮らしが少しでも彩られるように。
さらに、悠久の歴史の中でめのう細工を紡いできた全ての職人たちの想いも込めて。
6月12日(水)20時~ 新入荷いたします!
「玉人磨」をご購入いただきましたお客様には、原産地証明書をお付けいたします。