マグマから生まれた鉱物たち

またまた新しい勾玉を紹介するためにやってきたかと思われた方、
もうちょこっと待ってくださいませ。
今日は、まだ語りきれていない勾玉のおさらいになります。
それは、、、

そうです、「出雲鏡石!!
先月10日から、観光地とこちらのネットショップ。
そしてアナヒータストーンズでも「ミネラルショー限定」で販売開始となりました。
出雲産の新しい原石を使った勾玉です。

なぜおさらいするのかというと、先週から出雲では八百万の神様が集う神有月を迎えております。
縁結びの神様というので「恋愛のご縁だけ?」と思われがちなのですが、
実はありとあらゆる「人・物・事」とのご縁を決定するのが、この神有月なのですね。

就職したり、受験に合格する、、、というような大きなご縁から。
にわか雨が降ったり、道で10円玉拾った、、、なんて小さなご縁まで。
実は神様が決定しているのかもしれませんね。

そんな神様の集まる処、「出雲」で採れた石。
せっかくの神有月ですから、皆様にその魅力をもっと知ってもらいたいのです。
今まで、詳しく鉱物的な部分まで掘り下げた事がなかったので、
もう少し詳しくお話がしたく現れてしまいました。

という事で出雲鏡石の勾玉の魅力に再度迫っていきたいと思います!!
出雲鏡石は鉱物学的には、「デイサイト」と呼ばれる岩石グループに分類をされます。

「デイサイト」は深成岩(しんせいがん)の一種。

深成岩という言葉、なんか聞き覚えあるなぁ、、、と思われた方、
中学生の時にしっかりと勉強された方ですねっ!
あの頃は「どうせ役に立たない知識、、、」と思っていたことも
こんな所で活きてきます☆

「火山活動が原因となって生み出された岩石」を「火成岩」と呼び、
そのうち、粘り気のないマグマが噴出して、急速に冷え固まったものを「火山岩」。
反対に、粘り気があるマグマが、ゆっくりと時間をかけて冷え固まったものを「深成岩」といいます。

出雲鏡石が複数の種類の鉱物を内包しているのは、その「ゆっくりと時間をかけて冷え固まった」というのが
大きなポイント。例えば、急速に冷え固まった「火山岩」代表の石としてこの子を挙げてみましょうっ!

そう、「十勝石」です!
今年の8月にリリースされた限定勾玉です。
十勝石をはじめとした「黒曜石(オブシディアン)」は、前述した火山岩に分類されます。
十勝石が採れる北海道の火山「赤石山」は、さらさらとした比較的粘り気が少ない
マグマが噴出したのでしょう。

そのような場合、マグマは地表にぐんぐん遡上して噴出、急激に冷え固まります。
すると、含まれる成分が結晶化する前に固まってしまいますから、
この勾玉のように目に見えないほどの細かい細かい粒子の集合になります。
内包される鉱物がほとんどなく良い意味でのっぺりとした表情を示すのが、黒曜石の良い部分ですね☆

反対に、「出雲鏡石」は、粘り気のある水飴のようなゆっくりと動くマグマが由来です。
深成岩の元となるマグマは、マグマだまりの深い深いところからゆっくりと地表に上がってきて、
火山弾という大きなマグマの塊を撒き散らします。
こうした火山は「爆発的な噴火」を起こし、溶岩ドームを形成するのです。
雲仙普賢岳を例に勉強した人も多いのではないかと思います。

そんな激しくエネルギッシュな火山からこの出雲鏡石は生まれていたのですね~☆
地下の高温高圧下からゆっくりと時間をかけて上がってくることで、内部に色んな結晶が花開きます。

ご覧くださいっ! 出雲鏡石の表面に迫ってみると、いろんな鉱物がごろごろと入っているのが確認できますよね☆
大きな透明な斑晶は長石、小さく灰色がかった透明な斑晶は石英です。
デイサイトのマットな地色に、透明な結晶が花開いているとなんだかとっても不思議ですよね。

デイサイトはもともと、水晶と同じ成分である「SiO2」が石全体の62-70%の割合で入っている火成岩を指します。

ちなみにSiO2の成分が
53.5%以下だと「玄武岩」(聞き覚えがありますよね☆)、
53.5-62%だと「安山岩」、
逆にデイサイトより多い70%以上だと流紋岩(ライオライト)になります。

それほどの割合で珪酸分が入っていて、なおかつゆっくりと冷えていくと、石基に石英がごろごろと結晶化。
表出していきます。浄化の意味合いが強い「水晶」が入っていると、その時点で清められる印象すらしてしまいますね☆

それだけでなく大きく分けて7つの鉱物が入っているというから更にくすぐられます。
先ほどの
・石英 に加えて、

・斜長石
・緑色黒雲母
・角閃石
・チタン磁鉄鉱
・カリ長石
・海緑石

が含まれているのです。
デイサイト自体は比較的産出が多いのですが、
それが緑色黒雲母によって深い「緑色」に発色し、
そして、7つの鉱物が確認できる。

出雲という神聖な土地でこんなにも恵まれた原石が埋まっていたことに
どうして今まで気づく事ができなかったのでしょうか。
バイヤー陣ともども惜しいことをしていました。。。

でも今からでも遅くはありません。
出雲産の新しい勾玉「出雲鏡石」を手に入れるチャンスは
常に開いています(キラーン)

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