(新作勾玉！)レインボーフローライト出雲型勾玉中国・内モンゴル産

こんばんは。
サルオです。

2025年最初の出雲型勾玉の発売となった石種は「レイボーフローライト」です。
フローライトは透明感があり、カラフルな色彩を持つことから大人気の天然石ですよね。

定番で販売しているグリーンフローライトに加え、昨年はブルーフローライトの勾玉と単色系の勾玉を製作しましたが、今回はマルチカラーが特徴的なレインボーフローライトの勾玉です。

今回も例によって説明が

レインボーフローライトについて

フローライトの特徴は、一つの原石の中に何種類もの色調が見られることです。
その色合いは無色・白・紫・緑・青・黄、まれにピンクや赤など幅広く、一つの原石からここまで多くの色調を見せてくれる鉱物は他にありません。
そして、そのような複数の色が帯状に見られるフローライトは“レインボーフローライト”と呼ばれています。

カラフルな色調と縞模様の要因

下の写真は今回の勾玉の元となった原石ですが、カラフルな色調の要因は結晶中に含まれる微量元素によるもので、この微量元素がなければ無色や白色のフローライトになります。
微量元素は希土類元素（レアアース、セリウムやイットリウムなど）である場合が多く、それら希土類元素や他の金属元素の影響を多く受けています。

左：レインボーフローライトの原石
右：レインボーフローライトの原石をスライスしたもの

また結晶に本来含まれるはずのイオンの欠落(空孔)により可視光の一部の吸収が起こり色がついているように見えるものもあり、青紫色のフローライトの一部はこのような欠陥＝通称「カラーセンター」によるものです。
これらの要因が複雑に絡み合い、今回の勾玉のように豊かで濃厚な色彩が生まれているのです。
縞模様が出来る要因は、フローライトの成長中に温度や圧力、鉱液濃度の変化が周期的に起きること。その変化が、「層」という形で現れるようになります。

フローライトの蛍光性について

フローライトは蛍光鉱物としてよく知られていますが、全てのフローライトが蛍光するわけではございません。
フローライトに限らず蛍光する鉱物は含有する微量元素が原因となることが多くなります。
結晶中の微量元素は構造中でやや不安定な状態にあるため、紫外線のエネルギーを吸収し蛍光というかたちで吐き出すことで蛍光性が見えるようになります。
今回の勾玉はカラーにより蛍光する色としない色があるため、1つの勾玉からより一層フローライトの魅力を感じていただけると思います。

※蛍光性は弱いので蛍光する箇所でも真っ暗な状態でブラックライトの光を当てなければ判別しにくいかもしれません。

左：昼白色のライトで撮影
右：ブラックライトで撮影

レインボーフローライト勾玉作製の裏話

今回レインボーフローライトの勾玉を作るにあたって難しいのが原石選びでした。
最初に見つけた原石はこのようなものでした。

この中から原石を選ぶのは至難の業！

現地に行って仕入れているわけではなく、写真と動画のやり取りをして海外のサプライヤーさんと話をしているので、原石を買って後で「全然レインボーになってない！」って気づいたら目もあてられません。

ということで、失敗をしないために原石のサプライヤーさんに良さそうなものを選んで頂き、全てスライスしてもらいました。
スライスしてもらうサイズはそのまま勾玉を作製するための箱材に近いサイズでスライスしてもらいました。
下の写真がスライスした原石です。

原石をスライスされたレインボーフローライト

実際は全て1つ1つ動画を撮影してもらっています。
その動画の数は50以上になったかと思います。
また、ご厚意で気に入らないものは交換してもいいと言っていただいたので、あまり綺麗ではないものは外らせてもらいました。そのため、品質の良いものを厳選出来たのではないかと思います。

今回製作した勾玉はそのようにして選んだ選りすぐりの素材(原石)を使用していますよ！

ということで、

それでは、ここからは完成した勾玉たちを紹介させて頂きます。
まずは30ミリサイズの勾玉です。

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レインボーフローライトはHC(ハイクラス)や通常グレードといった品質のランク分けはしておりません。
理由はスライスされた原石を厳選しているため、品質に大きな差はないかと思われます。
ただし、大きな個体差はあります。

この1番の勾玉はこれから紹介する別の個体と比べて明るい色味をしています。

今回完成した勾玉に共通して言えることは「濃厚な色味をしている」ものが多いということです。
この色の濃さは今までのフローライトにはない重厚さを感じさせてくれます。
例として3番と5番の勾玉の写真を掲載させて頂きます。

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色の重厚さが強いですよね。
それでいて青みも紫みも感じることが出来ます。

1つの番号につき3枚画像を撮影しておりますが、上の2枚は勾玉を立てた状態で撮影し、左下の画像は勾玉を寝かせた状態で撮影しております。
なぜこのように撮影しているかと言いますと、勾玉を立てた状態で撮影すると光を透過してしまうため、実際に目で見た時と比べて色が明るく見えてしまうためです。
そのため、色が透けないように寝かした状態で撮影したものもつけさせて頂いております。

全体的に仕上がった勾玉はこのような濃い色味をしたものが多くございます。

また、1つの勾玉の中でトリカラーになっている点も注目すべきところです。