こんばんは。
サルオです。
今週は希少性の高い宝石について書かせて頂きたいと思い、第1回としてアレキサンドライトについてお話したいと考えております。
アレキサンドライトについて
アレキサンドライトはクリソベリルの変種です。
1842年ロシアのウラル山脈で初めて発見され、アレキサンドライトという名前はロシアの皇帝「アレキサンダーⅡ世」にちなんで名づけられました。この石は1830年の彼の12才の誕生日に発見されたものだと思われているそうです。
希少鉱物であるクリソベリル
アレキサンドライトはクリソベリルの変種だとお伝えさせて頂きましたが、クリソベリルについて少し説明させて頂きます。
クリソベリルは1900年頃のヨーロッパで大流行した宝石で、以前はベリルの変種だと思われていたそうです。そしてベリルよりもクリソベリルの方が光沢が強いことから黄金を意味するギリシャ語の名前が付けられ「クリソベリル(黄金のベリル)」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、ベリルの和名は緑柱石、クリソベリルの和名は金緑石です。この強い光沢から黄金をイメージしたのでしょう。
クリスベリル結晶
しかし、ベリルの代表的な宝石であるアクアマリンやモルガナイト、エメラルドとは異なり、クリソベリルは成分がベリルとは異なりますので別鉱物となります。
ベリルの成分:Al2Be3Si6O18
クリソベリルの成分:Al2BeO4
このクリソベリルという鉱物は勘違いから名付けられ、今日まで使用されている名前なのです。クリソベリルに限らず時々こういった話を聞きますが、宝石の長い歴史を見ると当時の技術では仕方がなかったのでしょね。
そして、クリソベリルの産出は宝石鉱物の中では産地が限られており、産出量も少ないため比較的珍しい鉱物です。
さらにクリソベリルの変種であるアレキサンドライトは最も希で高価な宝石だといわれています。
アレキサンドライト効果
クリソベリルの中でも結晶中に含まれるアルミニウム(Al)の一部が微量のクロム(Cr)やに置き換わったものがアレキサンドライトです。
そして、このクロムに置き換わることでアレキサンドライト効果と呼ばれる特徴的なカラーチェンジが生まれます。
上の写真は太陽光や昼白色のライト
下の写真は電球色のライト
アレキサンドライト効果は太陽光や昼白色やのライトでは緑や青色、電球色のライトやタングステン光の下では紫色や赤色に見えるという不思議な効果です。
このアレキサンドライト効果こそがアレキサンドライトの一番の特徴でもあり、魅力でもあります。
鉱物としての性質
分類:酸化鉱物
結晶形:斜方晶系
化学組成:Al2BeO4
色:黄、緑、青
硬度:8.5
へき開:明瞭
光沢:ガラス光沢
主な産地:ロシア、ブラジル、スリランカ
※最初に発見されたロシア・ウラル山産のアレキサンドライトは枯渇しているそうです。
アレキサンドライトは今までアレキサンドライト効果がない原石は少し仕入れたことがありましたが、高価すぎて手に入れることが出来ないんですよね。
いずれ、アレキサンドライトで勾玉を!なんて夢物語かも知れません。
最後までご覧頂きありがとうございました。